職員朝礼での社長訓話集 一つ戻る 最新版へ戻る
古巣 (5・28)
試験前 (5・21)
フィギュアスケート (5・19)
実験 (5・16)
相場 (5・ 9)
ハモリ (5・ 4)
5月28日 古巣
昨日は秋留台高校吹奏楽部の第3回定期演奏会でした。転勤して2年たつ今も、うちの郁恵さんにとって母校であることに変わりは無く、私自身は廃部寸前の状態で次の先生に引き継いだ後ろめたさも手伝って、何か行事があるたびに手伝うのが当然のようになっています。思えば三沢中から転勤した後も、一度はスパッと縁を切ったつもりでいたのですが、1年経たないうちに顧問不在の状況が発生して、客演指揮者を引き受けてからというもの、7年くらいにわたって影の顧問みたいな存在を続けたのでした。今振り返ってみると、こうやって古巣に影響力をもちつづけるということは、あまりいいこととは思えません。少なくとも新しい顧問の先生が、やりにくいような状況を作るべきではないでしょう。これはOBについても同じことが言えて、新しくやる気まんまんの先生が着任したならば、今まで指導にあたっていたOBは、脇役に回るべきでしょう。古巣は縁の切り時が大切で、スパっと思い切りよくいくべきです。
三沢中と縁が切れてからも、卒業生たちとは一緒にバンドを組んだりしていますし、不思議なことに私の存在をまるで知らない世代の三沢中卒業生たちとも続々つながりができているんですねえ。秋留台でも似たようなことがあって、私が着任した年の3年生は12期生ですから、それより上の代は知らないはずなのに、いつの間にか10期生や11期生と一緒に演奏したりしていました。結局、どこの出身だとか、習ったことがあるないとか、もっと言っちゃえば先生だったとか生徒だったとかは、音楽仲間になる上で関係無いんですね。まだまだ多くの人と知り合って、共演できたらいいなあと思うこのごろです。8月後半に計画されている、Unisonの能登半島演奏旅行が楽しみです。
というわけで、秋留台の現役部員の演奏が、かつてないレベルに達したと感じた昨日、私は「縁切り宣言」とも取られかねない発言をしてきました。今までのようなお手伝いは必要無くなったので、行事ごとにお客さんとして古巣の成長を見守り、いつかどこかで共演しましょうね・・・というのが真意ですが、阪神に移った野村監督が、古巣ヤクルトをライバル視するような気持もちょっとありますな。秋留台に追いつけ追い越せを合言葉に、がんばりますぞ!
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5月21日 試験前
今日も業界ウラ話です。うちの学校は明日から中間テストなんですが、テスト前になると必ず「じゃあお忙しいですねえ」と言われ、テストが終わると、「じゃあ、ほっと一息ですねえ」と言われます。私も学生の頃は、先生たちもテスト前が忙しくて、テスト後はヒマになると思い込んでいました。久しぶりに母校に遊びに行って、昔お世話になった先生と話してこよう、なんていう時にも、テスト前を避けて、テスト後に行ったりしたものです。これが逆も逆、まったくの正反対だということを知ったのは、教員になってからでした。
テスト前は、たいてい1週間くらい部活が禁止になります。生徒は3時過ぎには誰もいなくなってしまうわけですね。生徒がいない時の学校ほど、平和で落ち着いた世界はありません。テスト問題さえ印刷し終えちゃえば、あとは普段できないような残務整理を、マイペースでやれます。私などは、この時期によく薬品庫の整理や、その後に必要になる実験道具を出したりします。そしていよいよテストが始まるとですねえ・・・。これはもう何とも形容しがたい極楽の世界! テスト中は時程が変わり、出勤時間も少し遅くなります。授業と違って、監督はただボーっと立ってるだけですから、何の準備もいりません。ゆっくり出かけていって、1コマか2コマ監督して、午前中のかなり早い時刻には、再び生徒のいない状態です。学校によっては、テストの午後に教員ソフトボール大会をやったり、飲み会をやったりします。勤務時間中はヤバいはずですが、ふだんの毎日残業手当ナシ超過勤務に免じて、校長自らもソフトボールをやります。中学校では中間テストは2日間で終わりでしたが、高校はこんな日々が4日間も続くんですねえ。さて、その4日間のうち、自分の科目が1日目にあるか4日目にあるかは、非常に大きな差です。1日目にあるということは、その後の採点に丸4日の猶予がありますが、最終日にテストで、その翌日に授業があったりすると、1日ですべての採点を終えなければなりません。しかもテスト最終日の午後からは、部活が再開するので、ますます採点できる時間が少なくなります。採点が終わったら、平均点などと共にまとめた結果一覧表の提出があり、期末だと成績評定を出したり・・・。生徒が開放感に浸るテスト後の日々は、教員にとって最も忙しい期間になるのです。みなさん、私に編曲とか頼む時は、テスト前にして下さいね。
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5月19日 フィギュアスケート
今日は、秋留台の卒業生Tさんの結婚披露宴に出席した後、三沢中の卒業生Iさんのフィギュアスケートの大会を応援に行って、その帰り道に別の三沢中卒業生K君とばったり会うという、昔の教え子づくしの1日でした。中でもK君は最初の教え子で、もう30歳くらい。卒業して15年経っています。それが三沢中とまったく関係ない練馬区の人ごみの中で、一瞬すれ違っただけで「あれっ、直井先生じゃありませんか」と気がついてくれるんですね。私がいかに同じ顔、同じスタイル、同じ髪型を維持しているかを如実に物語る出来事です。
さて、フィギュアスケートを生で見るのは初めてでしたが、はっきり言ってハマりますよ、これは。最初はそのアクロバット的な動きに圧倒されていただけでしたが、ずうっと見ているうちに、だんだん目が肥えてきて、いい演技と悪い演技の区別がつくようになってきました。音楽に合わせて滑って、それが上手いかヘタかを競うわけですが、音楽は単なる伴奏にとどまらないんですね。というより、演技全体が音楽そのものと言ったらいいんでしょうか。とにかく、私達のやっている「演奏」と、非常に通じる部分を感じました。いい演技には、まずメリハリがあります。メリハリを出すためには、当然スピードの速い部分遅い部分の差をつけねばなりませんから、基本的にスピードが出ない人の演技は単調になります。あとは、曲のヤマ場をどう演出するかですね。ここ一番で自分の最高のワザを出すようにお膳立てする、いわゆる構成力です。「なんで、ここで2回転ジャンプなの?」みたいな、できる技を曲と無関係に次から次とやってるだけだと、何だか面白くないですね。「すべての技があるべき所にある」って感じの演技には、思わず引き込まれます。
Iさんは、長いことブラバンで楽器をやっていた人です。楽器の演奏と2足のワラジを履いていない他のスケーターたちとは、明らかに「一味違う」何かを感じさせてくれました。彼女はスケートの先生から常日頃、「オーケストラを指揮するように滑りなさい」と教えられるそうです。これは正に納得・・・。私の好きな指揮者、カクロス・クライバーさんや、シャルル・デュトアさんが、今からスケートの練習をして上手になったとしたら、すごくいい演技をしそうな気がします。私は逆にジャネット・リン(知ってます?皆さん・・・)がリンク上を舞うように、指揮をしようと思います。
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5月16日 実験
今年は物理と化学の両方を、3つの学年にまたがって受け持つというハナレワザをやっているので、この1ヶ月ちょっとで8種類の実験をやりました。授業の形式を大きく3つに分けると、講義、演習、実技ということになるでしょうか。ごく大ざっぱに言えば、講義中心の国語、演習中心の数学、実技中心の体育みたいに、科目によってどこに重点があるか大よそ決まっているわけですが、私の担当である理科は、この3つが微妙にミックスされているという特殊性があります。さらに、この3つの混合割合は、規定されているモノではないので、先生一人一人の個性によってだいぶ違ってきます。実験好きの先生と実験嫌いな先生というのが、ハッキリと存在するわけですね。私の場合、どちらに属するかというと、明らかに実験好きの方です。生徒の方はというと、おそらく実験好きが大半を占めるでしょうから、私のようなタイプは基本的に歓迎されやすいでしょう。ところで理科教員にとって実験というものは、講義や演習に比べて大変でしょうか。というのは、他教科の先生からよく「準備がたいへんでしょう?教育熱心ですねえ」みたいな言われ方をするからです。逆にいえば、実験の回数が少ない理科の先生は、手抜き教師のレッテルを貼られかねない状況があるのです。実はこれもまったく人それぞれで、「実験は面倒くさいからやんねえよ」という先生もいるのかもしれませんが、実験好きの先生の多くは、「実験の方が楽だから」ではないでしょうか。少なくとも私の場合はそうです。ちょっと疲れがたまってる時など、「面倒くさいから実験にしよう」なんてことさえあります。準備や片付けには確かに手間がかかります。しかし、講義で静かに前を向かせて50分間こちらの話に集中させておくためのエネルギーは莫大なもので、実験ではそれが不要な分すごく気が楽なのです。労せずして生徒から「今日の授業は楽しかった」という感想を引き出せる、まるでドーピングして金メダル取ったような心境にさせてもらえる手段なのです。もちろん、内容的につまらない実験だと、生徒も積極的にやらないどころか、他のイタズラを始めたりして危険な場合がありますから、実験のシナリオは非常に重要で、ふだんから面白いものを探しストックしていく努力は必要です。でもそれは苦労というよりは、理科系人間にとって楽しい作業です。つくづく、自分は理科の教員で良かったなあ、と感じる今日この頃です。
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5月 9日 相場
レストランで、「お!これで5千円ならまあ安いなあ」なんて思って頼んだコースで、腹一杯食べてさあ会計となって、「サービス料込みで1万○千円です」・・・。一瞬顔が青ざめて、5千円は一人あたりの値段だったことを知るわけですが、連れの前でかっこつけてる手前、表情はあくまで平静を装う・・・なんて経験を、誰でもお持ちではないかと思います。まったく逆に、リゾートホテルで頑張って頑張って、1泊3万円の部屋に泊まって、チェックアウト時に7万円くらい用意していったら、今度は2人1部屋で3万円で済んじゃったなんてラッキーな誤算も、たま〜にですがあります。だいたい、ふだん馴染みの薄い分野では、妥当な相場というものの見当がつきにくいもので、お寿司屋さんなんかでは、よく客の顔を見て値段を決められたりして、客の方も「まあそんなもんか」と、たいして疑うこともせずに払うことが多いわけです。
演奏家に払うギャラの相場は、見当がつかない最たるものです。どの程度の演奏に、どのくらいのギャラを支払うべきものなのか、そういうのをズバリ表示してくれる測定器みたいなのがあったら便利でしょうが、ミュージシャンにとっては天敵にもなり得るものです。私の経験する範囲では、演奏代はほとんど演奏する側の言い値で決まり、余ほど法外な値段を言わない限りは、需要と供給のバランスによる調整も機能しないような印象を持っています。中学校のブラバンの演奏会に賛助出演した時、15人編成くらいのビッグバンドで30分位演奏したのですが、PTAのお母さん方が「お礼を差し上げたいのですが、いくらくらいお渡しすればいいのやら皆目見当がつかないので、ザックバランにおっしゃっていただけませんか」と申し出られました。私も「そんなのいらないですよ」と一度はお断りしたのですが、「せめて交通費くらいは」と強く申し出られるので、「じゃあ1万円くらいでどうですか」と適当な値段を言いました。お母さん方はビックリしてしまい、ちょっと相談する時間を下さい、と言ってしばらくどこかへ消えてしまい、戻ってきてから「誠に申し訳ないが10万円が限界なので、なんとかその線でご勘弁願えないか」とのお返事・・・。あれ?と思いましたが、すぐに1人1万円で合計15万円を要求したものと勘違いされたことがわかりました。そのまま10万円貰えるところでしたが、結局、誤解を解いて1万円だけ貰いました。私たちのバンドは、プロが混じっているとはいっても、もともとアマチュアバンドなので、中学生の演奏会で高いギャラを稼ごうなんて考えていません。ここには詳しく書けませんが、相手がうんと儲かっている会社だったりする時は、う〜んとふっかけて活動資金を稼ぎ出すことはあります。バンドを雇う側の心構えとしては、とりあえず低めの額を提示してみることでしょうか・・・。
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5月 4日 ハモリ
ネプチューンが出てるTV番組の、「ハモネプ」というコーナーを、皆さんはもうご覧になりましたか?すでに2回の放送が終わったところですが、久しぶりにテレビの前にクギ付けにさせられました。ごく普通に見える高校生くらいのグループが次々登場して、アカペラコーラスをやるんですけど、それがちょっとしたブームになりつつあるらしく、路上ライブなんかもやってるらしいのです。発声法がまだまだだったり、アレンジを自分たちでやっているのか、全体的に荒削りな面はあるものの、なかなかどうしてやるじゃんか、って感じです。
何よりも驚きは、40才の私が高校生の頃と余りにも違うということです。私達が若かりし頃、歌や踊りは罰ゲームであり、進んで人前でパフォーマンスするやつは変人だったのです。それが、誰でも平気でカラオケで歌うようになり、ヘタなアイドル歌手より上手いのが1クラスの中にゴロゴロいるのが当たり前。若者の音感は鍛えられ、確実に進化しています。そして、合唱団などに所属して特別な練習をしていない普通の人間が、歌の中で最高難度であるアカペラ(無伴奏)コーラスを、平然と楽しんでいるわけです。これには非常に大きなショックを受けております。だいたい、アカペラコーラスがどれほど難しいかは、私たち合唱団経験者が一番良く知っています。合唱団で何十人という人数で歌っていても、無伴奏では時としてハーモニーが崩壊の危機に瀕することがあります。大勢いるから、何とか一番正しそうな音の方へくっついて行って事なきを得るのですが、これが1パート1人だったらどうでしょう。都立大学グリークラブでは、夏合宿恒例「カルテット大会」というのをやっていました。4人1組で歌うわけですが、完全に自分のパートの音が取れていても、自分と同じ音を出している人間が他にいないので、つられやすい人は徹底的につられます。完全につられてしまうならまだ罪は無いのですが、つられそうになって必死に耐えてる状態だと、正しい音程からほんの微妙にズレてくるので、聴いてる人々の全身の毛が逆立つような、良く言えば前衛的なサウンドを作ります。聞くに堪える発表をしたのは、まあ10組中の1組か2組ってところじゃないでしょうかねえ。皆さんも試しに4人集まったら「ドミソド」のハモリにチャレンジしてみて下さい。一定の音程を保つこと、内声部の微妙な音程の難しさを理解していただけるでしょう。「ハモリ」が本格的に流行りだしたら、譜面書きがまた忙しくなりそうだなあ・・・。
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