今日の一言(2003年7〜12月分)

  職員朝礼での社長訓話集     一つ戻る  最新版へ戻る  

12月23日 避難訓練

 昨日は、避難訓練と大掃除がセットになった一日でした。小中高を問わず、昔から終業式の前日というのは、授業はやらず大掃除でオシマイです。ただ最近は、灼熱地獄の夏休み前だろうが、午後まで授業やれ!というお達しが来るご時世です。大掃除だけじゃ、すぐ終わっちゃうから避難訓練もセットにしたような感じ。まあ避難訓練に限っては、何回やっても多すぎるということはありません。しかしいつも思うのは、生徒たちの緊迫感の無さ。初めっから訓練だと判ってるから、真剣にやれと言うのがムリ、と言っちゃえばそれまでだし、自分が生徒の頃を思い出してもヘラヘラしてたし、苦しみながら「ワシに構わず逃げてくれ〜」なんて叫んで、怒られてたものです。もうちょい真剣にやらせる工夫は無いものか、考えてみました。
 私が幼稚園に入ってすぐの5月・・・。いきなり非常ベルが鳴り、「火事だから庭に避難しろ」と指示が出ました。先生たちも真顔ですから、ただならぬ雰囲気に、大部分の園児は泣き出します。親たちだけが訓練の実施を知っており、子供に対しては口止めされていたのでした。こういう抜き打ち訓練は、非常に効果があります。ただし大きな問題点もあります。2学期にもいきなり「火事だ」と言われましたが、さすがに2回目です。「また訓練でしょ」と何人かの子が涼しげに問います。ところが、先生の表情は前回にも増して真剣そのもの。「今度は本当なのよ!」 再び泣きながら避難する園児たち。幼稚園の先生の演技力って、なかなか凄いけど、相手が小学生以上だと、騙されないでしょうし、幼稚園でも3回目はもう通用しません。ということは、3度目の正直で本当の火事が起きてたら、私たちはどうなってたのでしょう。やっぱり騙すのはよくありませんな。
 小学校とかでよくやってたのは、避難の早かったクラスを表彰し、一番遅かったクラスが怒られる「競争方式」。まあこれは低学年だったら喜ぶでしょうが、高校生では動機付けにはならんかな。来年の修学旅行の宿泊先である、北海道のルスツタワーで凄い話を聞きました。災害発生の時、従業員はすべての客室のバス・トイレまで回って、取り残された宿泊客がいないかチェックします。ホテルの避難訓練では、この作業のタイムを計測し、制限時間を上回ると重いペナルティがあるらしい。避難訓練の1ヶ月くらい前から、「走り込み」等のトレーニングを開始しなければならないのだそうです。これいいかも・・・。避難が遅かった生徒は、人一倍危険にさらされているので、常に防災ずきんを装着して授業を受けさせるとか、いかがでしょう。

12月15日 名答珍答

 年末といえば、プロ野球の「好プレー珍プレー」をやっていますが、期末テストの採点をやると、あれに負けないドラマを味わえます。問題・・・「酸とアルカリが中和するときに生成する物質は、水と( )である」 高校程度の化学を勉強した方なら、( )に入る言葉が「塩」(シオではなく、エンと読む) であることを思い出していただけるでしょう。さあ、もし皆さんがこの正解を思いつかず、当てずっぽうで答えるとしたら、何と書きますか? 私はヒントとして、( )に入る言葉が漢字1文字であることを明記しておきました。先日のテストで「塩」と書けた生徒は約40%で、誤答の第1位は「酸」でした。ううん、苦し紛れだ。酸とアルカリが〜とあるのだから、生成する方に酸が来るはずないんですが、何も書かないのももったいない。第2位の「水」も同様。次の一手で負けが決まる将棋でも、一応王手をかけてみる、という感じですな。空欄のまま提出した生徒よりは、意欲を感じさせる答案です。第3位以下は、非常に個性豊かです。「金」・・・たしかに、イオン化傾向のところで金(Gold)の話は何度もしました。その印象が強く残っていたのですね。しかし、酸とアルカリから金が生成したら、こりゃ嬉しいですな。「毒」・・・ううむ、中和を教える時に、「毒をもって毒を制す」なんて言い方をしたのがマズかったか・・・。「均」「央」「間」・・・中和ということからイメージされる、たった1文字の漢字か・・・けっこうあるもんだな。こういう名答が続々登場すると、採点もなかなか楽しい。
 私が過去に経験した最大の珍答はこういうものです。やはり中和に関する問題でした。問題「酸とアルカリを混合して中性になる反応を何というか」 その生徒の答・・・「いう」 しばらくピンと来なくて困ったのですが、ふと気がつきました。問題文の最後の4文字だけを読めば、Yes、Noで尋ねられているかのような、錯覚を起こす可能性はあります。この時のテストでは、他の珍答も出現しました。「中和っ!」・・・これ、皆さんだったらどうします? 書いたのは成績も良く、真面目な子でした。私は、理解できていると判断して○にしたのですが、その答案を見せた友達から話が広まって、他の先生の耳にも入り、「こんなフザケた答案は、0点でもいいくらいだ!」なんて過激な意見まで飛び出し、新採2年目だった私は大あわてでした。是非いろんな学校の名答珍答集を見たいものですな。

12月 5日 三冠王・考

 先日のコンサートで、私のことが「あらゆる楽器をこなす」と紹介されて、少々赤面するべきところですが、事実なので黒面しておきました。(最近、酒焼けのせいで、色黒化が進んでいる) たくさん楽器をやる、ということに驚いてくれるのは、ある程度音楽をかじったことのある人です。楽器に縁が無かった人は、ピアノが弾けると自動的にギターも弾けて、ラッパも吹けるはずだ、くらいに思ってしまうようで、事実、昔の私もそうでした。吹奏楽部に入ったら、日替わりでいろんな楽器ができると思いこんでいて、入部1日目の「パート決め」という段になって愕然としたものです。多種の楽器をやるのがいかに難しいかは、世の中に「楽器の三冠王」がいないことを見ればわかるでしょう。ピアノとギターの両方で世界一のプレーヤーになった人は、いまだかつて出現していません。今後もし現れたとしたら、これは最高に価値ある三冠王だと思います。
 三冠王の中に上下があるような言い方をしますが、実際あると思います。例えば、テストで一番を取った科目が、数学と物理の人と、数学と日本史の人だったら、同じ二冠王でも、後者の方が難しいし、もっと上は、数学、体育、美術の三冠王でしょう。ジャンルの違いが大きいほど、その人のマルチ度が高いと思うのです。昔から「?」だったのが将棋の三冠王。名人戦、竜王戦、王位戦に優勝したとして、これって全部将棋ですよね。羽生さんは、一時期七冠王まで行きました。もちろん才能と努力に十分敬服するのは当然として、将棋が強いんだから、将棋で勝ち続けて七冠取っても、不思議ではありませんな。本将棋、ハサミ将棋、回り将棋の三冠王は凄いと思う。囲碁、将棋、連珠(五目並べ)の三冠も見てみたいですな。アマチュアには、この三種目全部六段という人がいるそうです。野球界での三冠王・・・野村さん、王さん、落合さんなどですな。これはなかなか凄いです。同じバッティングでも、打率と本塁打は別ジャンルと言ってよい・・・ちょっと偏見でしょうか。世界の歴史上最高の三冠王は、レオナルド・ダビンチでしょうか。こんな人が、また出てこないかなぁ、と期待する前に自分がなろうかな、と思って勉強に励むこの頃。ほ〜っっっほっほっほっほ・・・。

11月30日 コミュニケーション

 昨日の演奏会直後の打ち上げで、高校生相手に「合奏それ自体がコミュニケーションだ。音楽を続けてさえいれば、友達の輪が広がる」なんて、偉そうに訓辞をたれました。もちろんこれは真理ですが、スポーツや勝負事が好きな人は、きっとこう言います。「スポーツそれ自体がコミニュケーション・・・(以下同文)」。結局、趣味というのはすべて、共通の趣味を持つ人どうしのつながり、という部分に大きな楽しみがあるわけです。昔よく私と徹夜マージャンをやった仲間が、こんなことを言ってました。「マージャンそのものも面白いけど、卓を囲んでる時の会話が面白いよね」 確かにそうかもしれないなあ、と思いました。彼は、誰かが「南」(なん)を切る(捨てる)と、決まって「な〜んだ」と言いました。ギャグとしては完結している場面ですが、これだけで終わらないのが徹夜マージャンです。次の人が「中」(ちゅん)を切ったら「ちゅ〜んだ」 もう一度「南」が出れば、また「な〜んだ」。もう誰も笑わなくなっても、構わず一晩中「○○〜だ」・・・。夜も更けてきて、全員ぼ〜っとしてきているせいもあって、「お前、いい加減にしろよ。つまんねぇよ」なんて目くじら立てる者もいません。私もよく、ドラ(持ってると点数が上がる、切り札的意味を持つ牌。取られると、大打撃を受けるリスクがあるから、捨てるには覚悟が要る)を切る時に、「ソ〜ゥル、ドラキリィ〜、わ〜っはっはっは・・・」と言ったものです。※注・・・「ソウル・ドラキュラ」という歌が昔流行った時期がある。その日は、いつしかドラと関係ない牌の時でも、誰彼構わず、デビルの笑い声を絶やさない夜となるのでした。合奏も、もし徹夜でやったら、こんな雰囲気になるかもしれないなぁ、なんて思うけど、まあなるわけないな。
 という具合に、どんな趣味でも、それを介したコミュニケーションを楽しんでしまえるわけですが、やっぱり音楽が一番かな、と思うこの頃です。特に指揮者は、そのコミュニケーションの核になりますから、「明日はどんな面白いことを言おうか」と考える日々でございます。

11月23日 これ下さい

 またやってしまいました・・・「これ下さい」っていうやつ。一応、買う予定で店に入るので、衝動買いとはちょっと違いますが、たいていの人が驚くところを見ると、ひと味違う買い方なのは確かなようです。うちの近所に、ノジマデジタル館というのが一昨日オープンし、オープン記念でずいぶん安くなってるから、そろそろ買おうと思ってた新しいノートパソコンを見に、というか買いにいきました。ううむ・・・すごい人混み。他店から応援が来ているのか、店員さんの数も凄い。ノートパソコンのコーナーに行くと、すぐに店員さんが一人寄ってきました。普段のノジマは来て欲しい時でもなかなか忙しそうで来ないのに、珍しいじゃんかと思ったら、ADSLのキャンペーン中で、勧誘が目的みたいでした。私いきなり15万くらいのVAIOを指さし「これ在庫あります?」。少しすると「ちょうど切れてますが、よろしかったら取り寄せましょうか?」とのお返事。「今日持って帰りたいなぁ。こっちは?」私が次に指さしたのは、隣のやつです。幸いそっちは在庫があったので、それに決定。売場に来てから、待ち時間含めて3分以内で終了。SONYのコーナーを選んだのは、うちにすでにNEC、富士通が1台ずつあるので、違うのにしようと思っただけです。私が最初に指さしたVAIOは、何が気に入ったかというと、私の立っている場所に一番近いところにあったこと。だいたい譜面書きとワープロ用なので、どの仕様でも大差ナシ。ましてや色やデザインなぞ、性能とはまったく関係ナシ。だからこういう買い方でも不都合はありません。私は他の買い物でもやり方は似たり寄ったりです。レストランでメニューを選ぶのも、たまたま開いたページの上の方のやつにするから超早い。服は一番端にぶら下がってるやつを取る。車を買った時も、その場で決めました。荷物がたくさん積めて、ある程度燃費がよいことが条件で、車種も色も何でもいいわけだから、合致する車はいくらでもあります。店員さんが「これなんかいかがでしょう?」と最初に提示したやつに、「じゃあそれで・・・」と答えました。(今乗ってるやつは、郁恵さんが色について一切の妥協を許さなかったため、苦労して探した) 今住んでるマンションも、即決だったな。テキトーっぽく選んだ物には、不思議な縁を感じます。私に買われる運命を背負っていた品々というわけで、愛着が湧いてきますな。

11月16日 実吹率

 タクシー業界の用語に「実車率」っていうのがあります。車が1日200km走ったとして、そのうちお客さんを乗せて走った距離が100kmならば、実車率50%ということですね。残りの100kmは、目的地から駅に戻る時とか流してる時か、要するに空車のまま走っているわけです。聞くところによれば、この数値はだいたい50〜60%くらいだそうで、大きいほど効率良く営業してることになるから、いいみたいです。吹奏楽団の練習時間のうち、休憩時間を除いた中で、実際に楽器を演奏している時間の割合を「実吹率」と名付けてみました。自分のパートが休みでも、曲がtuttiで進行している間は、実吹状態とします。どこかのパートだけを抜き出して練習させている時間は、該当パートが実吹で、他パートは空吹です。この言葉は、たった今造ったので誰にも通じませんから、よそでは使わない方がいいです。さてこの数値は、通常どれ位で、またいくら位が良いとか、あるのでしょうか。
 合奏時間が3時間だとして、実吹率が100%になるのは、長さが3時間ある曲を通してる時以外あり得ません。どんなに合わせが好きなバンドでも、指揮者が何か指示するでしょうから、多少は止まる時間があります。私の経験上、実吹率は概ね上手いバンドほど高くなる傾向があります。何パートか捕まることはあっても、問題解決が早いから、すぐに合奏が再開されます。初心者バンドだと、できない箇所が多すぎて、どうしても部分練習が多くなります。実吹率はパートによっても大きく異なります。クラリネットは休みが少ない上に譜面が難しいから、しょっちゅう捕まり高め。何と言っても低いのは打楽器で、待ち時間30分なんてザラ。指揮者によっても実吹率が変化するのはもちろんです。明らかに高め型と低め型がいますから、上手くないバンドで打楽器を担当して低め型の指揮者が来れば、これは凄いことになりますな。ティンパニの陰で熟睡したくなるのも無理はありません。では実吹率は高いほど良いのかというと、やはり程度の問題です。昔、某市民バンドで高校生の指揮者の下で、90%くらいの合奏を経験しました。彼はちょっと何か指示すると、すぐに頭から通させました。常に部分より全体を見ることが大切、というこだわりを持っていたようですが、マイスタージンガー前奏曲を1時間で5回通して、さすがにみんな怒ってました。私の場合は、何%か調べたことは無いですが、自分が吹く立場でちょうどいいくらいを目安にやっています。私の指揮で吹いたことのある皆さん、いかがでしょうか。 

11月 9日 本番に強くなる

 昨日8日は、日野市の吹奏楽祭でした。これは、実はすごく息の長いイベントで、私が初めて出演したのが中1の時の1974年。その後、日野市民吹奏楽団、三沢中の顧問としても出続けて、いつの間にか30年。団体数が大幅に増えて、雰囲気も変わりましたが、懐かしい面々との再会もありました。なんと昔一緒に出演してた方々が、子供の応援に来てるんですね。親子で同じバンドに、っていうのが見当たらないのが残念ですけど、そのうち増えてくるといいなあ、と思います。さて、昨日の本番はなかなか厳しい条件の中で迎えました。うちのバンドは20代半ばが主体ですから、この季節の土曜は結婚式ラッシュで、ずいぶんメンバーが欠けた状態でした。私も呑気に指揮をしている場合ではなく、ラッパで演奏に混じることにしてたら、3日になってアルトサックス全滅が決定。ラッパのメンバーが、結婚式会場から間に合ったら、サックスに回るということにしました。アルトのソロは2曲の中に計4箇所。やるからには当然暗譜で、ピシッと決めたい!控え室では、頭の中で架空の本番を行います。こういう時、自分の譜面だけをいくらさらっても、だいたいダメなのは経験上わかっています。目を閉じて、舞台のライト、お客さんの存在、マイクの位置などを想像しながら、何小節か前から歌います。で、楽器を鳴らさず、手に持ったままソロのフレーズを歌う。イメージトレーニングってやつですな。これが集中してやれた時は、まずもう大丈夫です。昨日はみんなが危機感を持っていたせいか、おかげさまで私だけでなく、みんながいい出来の本番を終えられました。
 以前は、本番では8割くらいの力が出せればいい方でしたし、本番が近づくと、予防接種の直前のようなイヤな緊張感があったものです。いつの頃からか、本番が一番楽しいと思うようになり、楽しみなもんだから、前の晩くらいからイヤでもイメージトレーニングに入ってしまう・・・。つまり、拍手大喝采を浴びる自分を想像してニヤニヤしてるわけです。だから最近は、本番の出来がだいたい一番いいです。スポーツ選手なんかも、でかい大会ほど世界新記録が出やすいところを見ると、同じ作用が働いているのかもしれません。
 これから受験等を迎える皆さんは、面接で何を聞かれてもスイスイ答えて、面接官が驚いて「君は晴らしいね〜」と叫ぶシーンを想像するのがよいと思います。もちろん、そういう自信は勉強によってしか得られないんですけどね。

10月29日 絶対音感テスト

 28日TBSうんなんさんで、私の絶対音感テストのシーンが放映されたため、あちこちから賞賛のメールが届いたり、学校では朝から何人もの生徒が、ドアや机を叩いて「先生、これ何の音かわかる?」と興味深げにやってきます。私が絶対音感を持っており、それがどういう面で役に立つかは、以前にもこのコーナーで詳しく論じましたが、今日は絶対音感を調べるテストについて論じます。昨日の映像の中で、ナンちゃんが私に行った聴音テストは計4回。1回目単音F、2回目単音B♭、3回目3和音F、A、D、4回目分散和音E、B、Dでした。結果全問正解で、「おお〜凄い」ということになったわけですが、実はこの中で絶対音感テストと言えるのは、最初の1回だけです。最初のFが正解になったあと、2つめのB♭はFを基準に測って、「4度上だな」とわかってしまうので、あとは何回やっても相対音感だけを試していることになります。和音を当てるというのも、絶対音感とは違った能力です。2つ以上の音は個々に聞き分けることはせず、響きでコードを判定します。ナンちゃんが弾いたF、A、Dは、Dmという、数あるコードの中でも、最も簡単な部類。最後のE、B、Dも、Dだけを高い音で弾いていますが、Eの7thですから単純。この後半2問は、絶対音感のあるなしに関わらず、できる人はできるし、できない人はできません。私の場合、よほど特殊なものでない限り、5和音くらいまでなら間違えません。というわけで、絶対音感をテストしようと思ったら、最初の1つを当てられるかどうか調べる。これしかないのです。或いは、今流れている曲のキーが何調か当てる、というのでもよいでしょう。さて、絶対音感保持者は、ドアをノックする音が何の音なのか、本当に当てられるのでしょうか?これに関しては、私は自信ありません、てゆ〜かやってみようと思ったことが無い。楽器ではない日常の雑音は、たぶん波形が複雑で、多岐にわたる倍音を含むでしょうから、単純に何の音か決められない場合が多いような気がします。比較的当てやすいのはモーターの音でしょうか。換気扇やエアコン室外機の音は、だいたいわかる。で、よ〜く聴いてると、5度の音が入ってたり、発車直後の電車だと3音が聞こえやすいです。営団地下鉄の最新型車輌に乗った時はビックリでした。モーター音がドミソ・・・見事な長3和音だ!だから別にどうもしません。聴音には絶対の自信があるので、世界選手権があったら是非出たいですな。ほ〜っほっほっほ。

10月25日 続・修学旅行を担当すると・・・

 下見から帰ってまいりました。こんなにハードで、涙なくして語れない下見も前代未聞ですな。昔の下見は、必ず業者(添乗員)が同行していました。本番で添乗するわけですから、学校側の担当教員と一緒に下見するのは、当然と言えば当然です。また、生徒を連れて行く場所をいくつかの候補から絞るために、多くのポイントを次々と見て回らねばなりませんから、業者の用意した車を現地社員が運転してくれるのも、極めて効率の良い方法でした。ところが、中には業者のサービスが行き過ぎて、経費の大半を業者が被ってくれて、先生は実質リベートいただき、なんてケースがあるようで、ここ数年は業者の同行が厳しく禁じられています。じゃあ自分でレンタカーを運転して回るのは・・・ダメ。タクシーもダメ。バスか電車で全部回れってことです。これが果たして本当に可能なことなのか、今回はちょっとしたチャレンジでした。で結果は・・・。最初はがんばれば何とかクリアできるのではないかと、食事もダッシュ、移動も小走りで札幌から地下鉄に飛び乗り、終点の福住で降りると、そこであっさり降参です。羊が丘へ行く路線バスが異様に少ないじゃんか!こんなのハナっから無理に決まってるのでした。仕方なく自腹タクシー。帰りもバスを待ってたら、この日は1箇所でおしまいになっちゃうから、タクシーに待っててもらう。円山公園駅から大倉山へ行くバスも全然無い!博物館が閉まっちゃったらアウトなので、またタクシー。函館の分も合わせて、予定外のタクシー利用3回。自腹約八千円也。無理だ〜と強く主張せず、今回の計画を了承したのは自分ですから、自腹は甘受します。実はそれでも見ておくべきポイントをいくつか見損なったままですから、責任を取って来年夏に北海道へ家族旅行します。さて、災い転じて・・・という部分にも触れておきましょう。今回乗ったタクシーの運転手さんたちが、皆さん素晴らしいガイド役を果たして下さったのです。旅行会社の人がいくら詳しいと言っても、地元の運転手さんにはかないません。我々が修学旅行の下見だと知るやいなや、貴重な情報をこれでもかと言わんばかりに教えて下さいました。中には、わからないことがあったらいつでも訊いてくれと、自分のメールアドレスを教えてくれた運転手さんまでいる!そこで私の提言。修学旅行の下見は、すべて現地の貸切りタクシーを利用しよう! トータルで見れば安上がりかもしれないし、何よりも、払った金額に対して何倍もの情報を得られます。これから下見に行かれる先生方は、是非とも現地の不便な交通事情を綿密に調査した上、隙のない理由書を作成し、貸切タクシーの申請をがんばってみましょう。

10月16日 続・時間割カン違い

 私自身の恐るべき事例集です。パソコンに向かってて、ついウトウト。ハッと目が覚めた時というのは、寝ぼけた状態というか半分夢の中です。ろくに時計も確かめないうちに、すっかり自分は寝過ごしたと思い込み、エンマ帖を手にすると、ダッシュで教室へ走る。ガラッ!と扉を開けたら、あれ?誰もいない・・・。そうか、実験だから物理室へ行ったんだっけ。もう一度ダッシュするが、物理室にもいないぞ。職員室へ引き返して、もう一度時間割を確認するが、まだ謎は解けない。そこでようやく時計を見ると、ん・・・今は2時間目だ。自分の授業は今日は3時間目からだから、な〜んだ、寝過ごしてないんだ・・・。居眠り運転の車は、赤信号を無視するの以上に、青で急停止するケースが多いそうですが、それと似ています。幸いだったのは、1時間間違えて飛び込んだ教室が、たまたま体育で留守だったことです。生徒がいたら、完全に笑いものでした。
 今度は中学校での失敗。いつもなら反応がよく、理解力の高い子が多いクラスが、その日に限ってどういうわけか、しら〜っとしている。私の説明がチンプンカンプンらしい。授業の終わりごろになって、もしや!と思い当たることが・・・。恐る恐る一番前の席の子のノートを見て愕然。恐るべき推測は的中した。1時間分の授業をスッ飛ばして、その先をやっていたのだ。もうひたすら謝るのみ。生徒たちも真相がわかって安心したようでした。この逆パターンで、一度やった内容を同じクラスでもう一回再放送してしまう、という失敗はありません。正確に言えば未遂はたくさんあります。でもこの場合、始まって2〜3分もすると、生徒から指摘されて気付きます。同じ話を2度聞かされるのは、誰にとっても苦痛のようです。再放送について付け加えると、わざと再放送をやることはあります。1年のとき必修科目で教えたことを、受験が迫った3年生の選択科目で、復習目的でまったく同じように教える場合などです。教わる側はつまらないだろうけど、受験に必要だからガマンしてもらおう、というこちらの心配は、取り越し苦労です。悲しいことですが、2年前に教えたことはきれいサッパリ忘れてくれてて、3年生は常に新鮮な感動を味わってくれます。若者は忘却力もすごいというが、本当であります。
 9月から「週案」という、1週間の授業予定を書いた紙を、校長先生に提出してチェックを受けなければならない制度ができました。これで、うっかり時間割カン違いは大幅に減少するでしょうか。そうであれば、少しは価値のある制度と言えますな。

10月12日 時間割カン違い

 と言っても、生徒が明日の時間割を間違えて忘れ物する、ということではありません。先生の側が間違える場合のことです。皆さんも小中高の長い学校生活を過ごされた間には、違う先生が間違えて教室に入ってきたり、来るはずの先生が来ないで、職員室でお茶を飲んでたりというハプニングを、一度や二度は経験されているでしょう。これは完全に先生側のうっかりミスで、やる人は妙に頻発するので、もしかしてわざとやってるんじゃないか、と疑いたくなるくらいです。とか言いつつ、私も年を追うごとに増えてきたから、あまり他人を攻撃するのはやめておきます。先週の月曜日も、あわやというところでしたが、直前に気付いて事なきをえました。ミスが起きやすいのは、何と言っても「臨時時間割」が組まれたときです。2年生が修学旅行に出かけている間は、通常時間割だと相当数の授業が自習になってしまうので、全面的な臨時版になります。で、それを自分のクラスに連絡しようと見てみたら、「な〜んだ月曜は変更なしじゃん」 そして月曜の朝がやって来て、私はいつもの月曜1時間目と同じように3組の出席簿を取りに行こうとしたら、「直井さん、変更になってるよ」と同僚から呼び止められた! なんとそこで初めて気付いたのは、月曜はうちのクラスだけがたまたま変更無しだっただけで、他は全〜部変わっていたのです。(超爆汗) 変更後は1時間目がナシで、無いと思ってたはずの4組が2、3時間目に入っている!さあここからは時間との戦いでした。一番進んでいるクラスなので、新しい教材2時間分を60分以内で準備しなくてはなりません。1コマ目・・・演示のための、塩化銅水溶液と塩酸を調合し、金属片4種類を準備。2コマ目・・・生徒実験。活性炭、ビーカー、モーターなどが班の数必要。とにかく4階へ猛ダッシュ・・・。器具を揃えながら、頭の中では1コマ目に講義するシナリオを組み立てる・・・。ううん、人間やればできるもんですな。ふだん、いかに時間を無駄にしてるか、身に沁みてわかりました。まあ、気付いたからよかったですが、これがもし気付かずにその教室に行かないと、どうなるか・・・。「先生!ちゃんと授業やって下さい」と怒る生徒たちだと嬉しいのですが、まあめったに無いです。普通はしめしめと1時間くつろいでいるに決まってて、しかも大騒ぎして他の先生が駆けつけてくるというヘマもしません。その結果、なんとスッポかした先生すら気付かずじまい、というケースもあって、事件は闇に葬り去られるのです。今回は「あわや」でしたが、過去に実際にやってしまったカン違いを次回一挙公開(後悔?)します。

10月 5日 修学旅行を担当すると・・・

 うちの2年生が、いよいよ明後日から大阪方面に向けて出発します。私は1年の担任なので、関係ないからの〜んびり、と思うでしょう?ところが、2年生が出かける時期というのは、1年生が出かけるちょうど1年前にあたり、これは実踏の時期なのです。だから今、私はその実踏直前の、いろいろ段取りを考えていて、2年生の先生方に負けず劣らずハイテンションでございます。さて、担当者になるとどんな業務が待ち受けているのか、ちょっとご紹介しましょう。修学旅行の準備というのは、その学年が入学する時点からもう始まっています。以前は、入学式より前に、行き先も先生たちで決めちゃっていました。極端な例だと、上の学年が沖縄に行ったから我々も・・・って話がまとまりかけた頃、「オレは絶対飛行機ヤダ!」っていう先生が一人いたために、長崎に決めたことがあります。最近は生徒や保護者にアンケートを取るようになったので、行き先決定が若干後にずれ込みますが、それでも4月中です。まだ本番までに1年半あるのに、会議の議題のメインが修学旅行、というのも不思議な感じですが、これより遅いと準備は間に合いません。4月中に仕様書というのを作って、業者の選定まで済ませます。この時点で、担当者の私はすでに修学旅行を終えたような気分です。で、本番1年前には現地へ行ってみて、実際のイメージを獲得します。生徒が泊まるホテルの部屋は、隅ずみまでチェック。ベランダから隣の部屋へ移動する者、非常階段でタバコ吸う者・・・あらゆる場合の予防策を立て、男女の部屋割り、本部の位置を決定。外での各集合地点へは、いろんな方角から歩いてみて、迷いそうなポイントを見つけ、先生方の配置を決めます。私も口では「実踏は楽しいよ〜」なんて言ってますが、真面目にやると、これほど頭脳と体力を使う仕事はありませぬ。で、帰ってきたら、イメージが残ってて忘れないうちに、教員用マニュアル(全体シナリオってとこかな)の下書きを作ってしまいます。学年の先生方にこれを見ていただく頃には、10回くらい修学旅行を終えたような感覚に陥りますな。旅行の行程には、担当者の個性が色濃く現れます。私が担当すると、自由行動の時間がやたらと多くなるのですが、先生も生徒も大喜びなので、別に問題は無いと思います。では2年生の皆さん、気をつけていってらっしゃい!
 
9月26日 運動会

 一昨日は高校の体育祭でした。10月に入ると弦太の幼稚園の運動会があります。正直言うと、私は運動会ほど嫌いなものはありませんでした。大人になってよかったです。何がイヤかというと、リレーを中心にやたら陸上短距離種目に力点がおかれていて、私はなかなかヒーローになれず、運動会とか体育祭というネーミングでやるからには、もっと幅広いジャンルを揃えてほしいと思っていました。あと、騎馬戦、棒倒しなどの格闘系・・・。痛いのも嫌いです。まあ棒倒しに関しては、何回もやるうちにコツがつかめました。棒の根元を支える係って、大変そうに見えて、実は一番痛くありません。外側では殴り合いの音が聞こえていても、最深部には軽い振動が伝わってくる程度です。海面が大荒れでも、水中は静かなのと同じ理屈ですな。ほ〜っほっほっほ。さて、何と言っても最悪なのは「組み体操」です。ピラミッドなんて、土台を任命された日には、グランドの小石が膝に食い込んで、痛いのなんの・・・。かと言って、上に乗るのも恐い・・・(高いところも苦手なのだ) 最後に崩す時は、身体をまっすぐに伸ばすのがコツなのですが、誰かがびびって中途半端に膝を曲げた状態だと、下の人間は背中にニードロップの直撃を受けることになります。ホント、あればっかりは生きた心地がしませんでしたな。ところが、中学3年の時に素晴らしい奇跡が起きました。入場行進の時の私のドラムの腕前が、体育の先生の目にとまり、組み体操の合図をホイッスルではなく、ドラムでやろうということになったのです。ピラミッド完成の時、みんな死にそうな表情で耐えている・・・私は涼しい顔でロールを打ちつづける・・・バスドラムをドンと鳴らせば、すべてのピラミッドが一瞬で崩れ去る・・・ううん、素晴らし過ぎる! 全校の男子生徒の中で、私と、バスドラ担当の後輩だけが、組体操を堂々と免除されたわけで、「吹奏楽部に入って良かった〜」「打楽器奏者で良かった〜」「たくさん練習してて良かった〜」と心底思いました。味をしめた私は、高校に入ってからも、ドラムを使った組体操の演出を、体育の先生に進言してみましたが、あっさり却下されました。5段ピラミッドの一番下を割り当てられたショックも、一層大きなものになったのは、言うまでもありません。弦太も今年組み体操初体験ですが、どんなにドラムの腕が上がっても、体操には毎年参加しておくよう指導するつもりです。

9月20日 ウォーミングアップ

 スポーツでも楽器でも、準備運動が必要です。リリーフ投手がブルペンで、キャッチボールから始めて、「肩を作る」というやつと同じです。ウオーミングアップはどれくらいやればいいのか、というのは個人差が大きく、一概には言えません。ピッチャーでは、1時間くらい入念にやる人もいれば、5〜6球投げたらもうスタンバイOK、という人もいるらしいです。管楽器でも、最低1時間前から吹いていないとダメ、と明言している人もいれば、パラパラっと音階を吹いたかと思うと、もう合奏に加わる人もいます。私の場合は、どちらかというと後者で、ふだんの基礎練習はちゃんとやりますが、本番の日に特別入念なウオーミングアップをしなくても、そのせいで出来が悪かったという記憶はありませんでした。だいたい、微妙なコンディションを気にするほどのレベルではない、ということですかな(泣)。
 その日のコンディションや、ウオーミングアップのやり方によって、出来不出来が生じやすいのはトランペットです。いろんな管楽器をやってきましたが、こんな微妙な楽器は初めてですね。唇の振動するポイントがずれた状態でウオーミングアップすると、もうその日はハイ
さようなら。リハーサルで張り切りすぎて、ムリな力を入れて吹いたりすると、やっぱりさようなら。あとはいくら修正を試みても、いい音が出るようにはなりません。トランペットを吹き始めて6年目ですから、もう初心者ではないし、本番でキツいパートを任されたりすることも増えてきましたが、本当にコンディションには気を使います。昨日はうちの学校の文化祭で、中庭でロックバンドの本番が終わったのが12時56分。ブラスバンドの本番スタートが13:00ジャスト。ベースギターを置いて、3階まで駆け上がり、息が切れた状態でラッパを組み立て終えたらもう開演でした。この日は朝からまったく吹いてないので、ウオーミングアップゼロの状態。曲はいきなりディープパープルメドレー、ドントセイ、オーメンと続き、全部1stです。ところが、極限状態のせいで、ムリな力を入れようと思っても入らず、このステージは案外うまく吹けました。今日の方はまるまる1回通す時間があったのに、本番は撃沈。リハでがんばり過ぎたのがたたったのです。本当に調子がいい時は、何十曲続けて吹いても音をはずす気がしません。ダメな日はどうしようもなくダメ。西武の松坂投手みたいだな・・・。まあ修行が足りないの一言で済んじゃうんですが。阪神の下柳投手のように、調子が悪い日でもそれなりに持ちこたえられるように、早くなりたいですな。

9月10日 演奏家が「H」な理由

 昔の私の同僚で、プレイボーイで名高かったT君が、自分の車に積んであるたくさんのカセットテープの、中身について説明してくれたことがありました。まだ20代半ばの頃でしたが、ありきたりの「サザン〜ユーミン〜タツロ〜」とは一味違い、ジャズのバラードものなんかも入ってたのがちょっと意外で、「へ〜、こういうのも聴くんだ〜」って言ったら、彼の答えは実にサバけていて、「オレは聴かねえよ。女の子に聴かせるんだ」 「なるほど、彼女の趣味か。」 「違うんだよ。知り合ったばかりの子に聴かせるやつだ。これが海岸用・・・」 やっとわかった、ナンパした子とのムードを盛り上げるためなのね。彼は嬉しそうに続きを説明します。「これこれ!これ聴いてよ。泣いちゃうシリーズ第1弾」 「本当に泣いちゃうのか?」 「そうなんだよ。で、最後はこれで落とす!」 彼がかけてくれた曲は、たしかにいい曲ばかりでした。特別に音楽好き、というわけでもない彼が、これだけのコレクションを形成するというのは、不純な動機とはいえ、凄いエネルギーです。またこれは、音楽が「女の子(に限らず)をその気にさせちゃう」力を持っている、ということの裏付けとも言えます。あやうく私も、うっとりして落とされるところでした(爆)
 歌手にしろ楽器の演奏家にしろ、自分で音楽をやる人はHです。(極めて断定的・・・) 例外的な方もいらっしゃるでしょうから、その方々はお気を悪くなさらないで下さい。特に名プレーヤーほどその度合いも強く、またよくモテます。あるプロの演奏家に伺ったら、外見がかっこいいかどうかは関係ないそうですな。演奏でフェロモンをバラまくのです。その方は、本番の時ステージから客席を観察し、好みのタイプの女性を一人決め、その日はその子をナンパするつもりで演奏するとおっしゃってました。偶然ですが、これは私もやっていた方法です。ってゆ〜か、みんなそうやってる気もする。注目された側の女性も、なんとなく気付いてたりして、終演後にお話しに来てくれることがあります。そんな時は、私も即座に「今日は君のために弾いたよ」と、決めセリフを発射したものです。ほ〜っほっほっほ。お断りしておきますが、これらはすべて昔の話ですので・・・。本日は「緩急、色気、説得力に溢れた演奏は、実は演奏家のスケベ心から生まれている可能性が高い」という学説についてでした。

9月 6日 社長を出せ!

 っていう本、ご存知ですか?某大企業のお客様相談室で、20年以上クレーム処理の専門職を勤め上げた、川田茂男さんの著書です。「クレームは逃げようとすれば追ってくる」「クレームの中に、品質向上のカギあり」「泣き寝入りするお客さんの方が圧倒的多数。見えないクレームを発掘せよ」など、いいことがたくさん書いてありました。まさにその通りで、はっきり苦情を言ってくれる人ほど、自分にとって貴重だなあと、しみじみ思うこの頃です。編曲をやり始めて、もうずいぶん長いですが、クレームに遭遇したことが余りありませんでした。おれの編曲は完璧だからだな、なんて自惚れかけていたところが、一昨年、高松のKさんから「直井さんの譜面は、休みが少なくて息継ぎできん」と指摘されました。「自分たちの腕前を棚に上げて、申し訳ないのですが」みたいな、遠慮がちな言い方が逆に気になって、「一度もそんなこと言われたことないけどなぁ」と半信半疑で、送った譜面をひと通り、全パート吹いてみてビックリ。「うわ!苦しい。ホントだ」。息は吸えても、休みの小節がほとんど無くて、楽器くわえっぱなしだから、曲の後半はかなりヤバい・・・。ということは、過去に私の譜面を吹いた皆さんは、編曲料の余りの安さにクレームをつけることが憚られ、ガマンしてハーハーゼイゼイ吹いて下さってたということではあ〜りませんか。それまでの私は、休み小節はできるだけ少なく、たくさん吹かせることをヨシとしていたのですが、今は適度に休みを入れて書くようになりました。Kさんのクレームが無かったら、今ごろ酸欠でバッタリ行く人がいたでしょう。
 本業の理科の授業では、今年から「生徒による授業評価」が義務付けられるとかで、たくさんのクレームが期待できるはずですが、ん〜どんなもんじゃろ?実は私は、ず〜っと前から授業アンケートを実施していて、生徒からのクレームに耳を傾ける姿勢だけは持っていました。ところが、ここ数年クレームがほとんど無く、判で押したように「先生の授業は楽しい。今のままのやり方でよい」なんて答ばっかりです。こっちも日々それなりに努力してるから、まあ評判が良くなるのは当然の成り行きかな、と思ってましたが、川田さんの本にもあるように、実は心に苦情を秘めていても、表明する勇気がなくて泣き寝入りの子もいるはずです。たくさんのクレームを発掘しなければなぁ、と思います。そんな謙虚な気持にさせてくれた一冊でしたな。

8月28日 5分前集合

 私の父の、おかしな性質。来週、遠くに出かけることになり、10時の新幹線の切符が取れたとします。すると、そこから正確に逆算して、「お父さん、8時35分の東京行きに乗るからな」と、家族全員に宣言します。この宣言は翌日も行われ、「お父さん、もうわかったよ」と何度言い返しても、連日繰り返されます。ところが、いよいよその出発日になると、父は7時半にはすべての支度を終えてしまい、出発時刻を今か今かと待ち、ついに辛抱できず、8時前に家を出てしまい、結局宣言したより30分前の電車に乗ります。母も最初は苦労したようです。家族で出かける場合、父の宣言に合わせて支度しているのに、思いっきりせかされるのですから。私たちも慣れて来ると、父の宣言からさらに30分繰り上げて支度するようになりました。父はず〜っと船員で海外勤務だった割に、旅なれた雰囲気が微塵も無く、出かけるたびに興奮状態になっていたようです。そして、私はその血をまんまと受け継いだのです。
 去る23日、高松行きの飛行機は10:10発。「7時6分の東京行きに乗る」ことを決意。郁恵さんに宣言しても相手にしてくれないと思うので、弦太にだけ向かって高らかに宣言。そして当日は、目覚ましより早く目が覚めてしまい、支度も完了。乗ったのは6時51分。羽田には8時40分頃に着いてしまいました。ううん、早過ぎた・・・。でもこのくらいの早さは、歴代の記録の中では全然たいしたことありません。最高記録はハワイに旅行した時です。28才にして飛行機初体験。それがいきなり国際線。この興奮がどれほど凄いものかご想像下さい。成田発ホノルル行きは夜の8:50です。何時に成田に着いていればいいだろう?空港というのも勝手がわからないし、夕食も食べたいから、余裕を見て5時くらいには着くようにしよう・・・と計画しましたが、当日私は午後1時にはもう成田でスタンバってました。同僚5人での旅行でしたが、毎年海外旅行してる人は、こっちが夕食終わった頃に悠然と現れますね。私の方がハラハラものでした。まあ、いつまでたっても旅慣れない私ですが、早めに集合して損することはありません。ギリギリに駆けつければいいや、と思っていると、何らかのアクシデントに見舞われたら最後、即遅刻です。電車の事故等で、いつ運転再開するか不明の車内から「わ〜どうしよ〜」ってメール打って来る仲間に、たいてい私だけが「もう着いてる。待ってるから慌てなくてよい」と返してます。5分前ならぬ50分前集合を皆さんも励行してみて下さい。成田の8時間前集合は、こりゃ単なる田舎もんの行動だな。

8月20日 労せず上達する方法

 なんてのがあったら、ドーピングより効果的だし有難いですな。「労せず」というのがちょっと誤解を受ける言い方ですが、ねじり鉢巻で躍起になってがんばらないのに、いつの間にか上手くなっちゃった、という事例は確かに存在します。囲碁や将棋の取材をしてる記者が、実際レッスン受けたり対局しないのに、自然に強くなるそうですな。テレビの将棋番組の司会を1年間担当すれば、それだけで間違いなく3段以上になれると、司会を経験された方がおっしゃってます。一流どころの人々との会話で、目のつけどころというか、勘所がわかってくるのでしょう。合奏を指揮するための勉強として、私自身一番役に立っているのは何か、と考えたところ、やっぱりそれは講習会とかじゃないんですね。多摩市で連盟の仕事をしていた時、おもに永山高校の練習や本番に付き添っていて、別に見学しようと思ってその場にいるわけじゃないのです。司会進行の都合等を確認するためなのですが、入れ替わり立ち代わり現れる先生方の指導を見ちゃうし、先生方と控え室でお茶飲むから、ついつい質問しちゃうし、結果的にその期間に勉強したことは多大でした。小編成のアンサンブルというのも、月例サロンコンサートの司会を勤めているときに勉強しました。曲の雰囲気くらいはわかっていないと、司会ができないので、リハーサルに立ち合わせてもらうのですが、そこでかわされるやりとりが、今の私の「アンサンブル道」の基本です。先ほどの永山高校でついでに言うと、ハードスケジュールで移動も多いため、運送会社ではトラックと運転手さんを一人、ほぼ永山専属にしていました。その運転手さんが、ずいぶん耳が肥えてらして、「今日は金管がよく鳴ってる」とか「木管のピッチが今一」とか指摘されたといいます。音楽好きな運転手さんを割り当てた、と考えるにしても、ここまで細かく聞き分けられるものでしょうか。アルフレッド・リードさんが指揮する時に、いつも通訳してくれたA氏も、非常に厳しい耳を持った方でした。結局、一生懸命でたまにレッスン受けるのもいいですが、何気なく日常接すると、知らず知らず進歩する、ということです。コンサートホールやライブハウスの舞台や照明をやっている方々が、どんな厳しい耳をしてらっしゃるか、考えると恐ろしいですな。「ぼうや」と呼ばれる、ミュージシャンのアシスタントは、だから上達するのにもってこいの方法なわけです。労せずとか言ったけど、どの立場もみんな「労」してるな。

8月 9日 続・世界記録

 ギネスブックに出ていた、「世界最大の楽器」は、長さが5mくらいあるコントラバスだったように記憶していますが、だからどうしたっちゅうねん?て感じです。6mの楽器を作りさえすれば、記録更新になるでしょうが、それだけのことですよねえ。実際、それを使って不可能な演奏を可能にした、というのなら価値があると思います。昔、TV番組(たぶん、題名の無い音楽会)で、超アップテンポでの演奏に挑戦、という企画がありましたが、これもいかがなものか。ジャズのスタンダード「A列車で行こう」を、400くらいのテンポでやってたようですが、スイングもしてないし、タテのラインも揃うわけなく、ハッキリ言ってめちゃくちゃでした。本当に興味を引く世界記録というのは、どういうものでしょう?
 例えば、「世界で最もハイトーンで吹きつづけるトランペッター」なんかだったら面白いかもしれません。「メイナード・ファーガソンの持つ世界記録を、何十年かぶりに、エリック宮城が更新!」とか・・・。ドラムだったら、「シングルストローク(一つ打ち)の速さで、ようやくバディリッチを超えるプレーヤーが出現した。ところが彼は、演奏前にステロイド剤を服用していたことが発覚し、記録は幻のものとなった」なんて、ありそうですね。楽器の超人的テクニックではなく、曲そのものについての記録も、いろいろ知りたいところです。ジャムセッションでは48時間なんて記録があるようですが、これは例外として、譜面どおり演奏して最も長い曲は何か?とか。オペラだと4〜5時間くらいのものはあるようですな。管楽器の最も長いロングトーンを要求される曲・・・これは、ベートーベン第九冒頭のホルンあたり、有力ではないでしょうか。30秒近くあるような気がしますが。最も強弱の差が大きい曲→ボレロ(ラヴェル)。最も大勢の演奏者を必要とする曲は、これも1000人で演奏するイベントとかを除くと、マーラーの交響曲あたりが有力かな。ホルンの譜面が8番まであります。最も嫌なキー(調)の曲→クレオパトラの夢。変イ短調は♭7個でございます。最も作曲のスピードが速い→これは間違いなくモーツアルトでしょう。通算書き損じゼロは有名です。編曲のスピードなら前田憲男先生でしょうか。両手に鉛筆を持って同時に書くそうです。最も長期間の作曲活動→ロッシーニ。10代前半でデビューし、70代まで第一線で活躍。
 あやふやな知識で、不勉強をさらけ出していますが、面白い記録をご存知の方は、是非お知らせ下さい。

7月25日 世界記録

 水泳が凄いことになっていますな。いっぺんに世界記録2つ更新! それが身長2m以上で、足のサイズが45cmくらいある大男ではなく、小柄な日本人の偉業だっていうんだから、スポーツは本当に面白いです。いつ頃からだかわかりませんが、私は記録マニアみたいなところがあって、新聞に「世界記録」という文字を見つけると、何の記録かには関係無く、読みふけってしまいます。10年ぶりくらいに記録が更新されると、人間という種そのものが進化したような気がして、感無量になります。中でも、水泳は記録更新がやたら多いというか、ハイペースなので、面白さも倍増です。
 私が小学生の時に、「超人」に関する本を読みましたが、あまりに興味深い内容だったので、いまだに覚えてます。その中にスポーツの世界記録があるんですね。例えば「マラソンで2時間を切る人間が出現するとしたら、背はこのくらいで・・・」とか、スポーツの専門家や医者などが、その超人像を描いているわけです。こうして超人像を描いて楽しむことは、裏返せば、マラソンで2時間切るような人間は、永久に現れないだろうという予想があるわけです。その中に、「水泳100m自由形で50秒を切る超人」も論ぜられていました。背は2m20くらいで、手足が巨大で広く、カエルのように泳ぎに適した形だとか・・・。ご存知のように、100m自由形はビオンディが人類初の49秒台をマークした後も、記録更新はとどまるところを知らず、今や48秒台が当たり前です。30年前には、マラソン1時間台と同じレベルで絶対ムリと信じられていたことが、普通のことになってしまうわけですから、水泳の進歩というものがいかに急ピッチか、わかるというものです。
 さて、Windowsでパソコンをやっている方ならご存知の、おまけゲーム「マインスイーパ」というのにも、世界記録があるって知ってから、興味が倍増しました。Windows95の時代に、上級55秒クリアだったそうですから、今では更新されているかもしれません。私は元祖ぷよぷよも猛訓練に励み、80万点くらい出せたのですが、その時の世界記録は200万点でした。自分が及ばなくても、世界中にはこんな凄い人がいるって知っただけで、なんだか嬉しくなります。音楽部門にも、世界記録って無いのかなと思ったら、いろいろとあるみたいですな。そのへんは、次回に論じることにしましょう。

7月17日 分業

 自動車工場という所は、1台の車を何百人かで、寄ってたかって作っています。車はベルトコンベアーに乗せられて、ハンドル取り付ける人はそれだけ。ドアを取り付ける人はそれだけ。やってる人たちは、同じ事の繰り返しで、さぞつまらないだろうと思います。しかし100人の人間が、それぞれ別個に100台の車を作ることを考えたら、とてつもなく能率が悪いでしょう。作業効率を考える上で、分業は欠かせません。最近、編曲の分業というのをやりました。今日、都内で本番をやっているはずの、ビッグバンド曲の丸コピーです。元々この仕事を請け負っていらしたのは、プロ編曲家のS先生でしたが、お忙しい時期と重なったので、私が「メロディーラインとコードだけ採っておいてくれ」と頼まれたのでした。私は1stTp、リードアルト(サックス)、コードだけを1日で採り、先生宅にメールで発送。先生はコードを見ながら、音を積む(ハーモニーをつけていく)と、もう出来上がり。一昨日のリハに余裕で間に合い、仕事した私たち当人も、ビックリの速さでした。そもそも譜面書きという仕事の中で、丸コピはかなり面倒くさい部類です。聴音とハーモナイズの両方の要素があるからですが、私がふだんコピーを多く手がけていて、単音採りは朝飯前で、S先生の方はビッグバンドのアレンジャーなので、メロディーに音を積むのは朝飯前だったため、効果的な分業となったわけです。1人1曲ずつで2曲書くよりも、2人で2曲書く方がう〜んと能率が良いことがわかりました。
 このところ、学校の方は学期末で、授業が少なくなるかわりに、通知表書いたりの事務仕事や、会議が多くなります。(ついでに飲み会も多い) 先生の中には、「授業等で生徒と接するのは好きだが、事務処理や会議は大嫌い」というタイプが少なからずいらっしゃいます。これの逆タイプは滅多にいません。(いたら大変だ・・・) 実際、事務仕事は膨大な量で、一番仕事が早いと言われている私でさえ(ほ〜っほっほ)閉口することがあります。授業やる人と成績処理する人が、分業できたらいいだろうなあなんて思うこの頃ですが、飲み会は分業しません。

7月14日 FA制度

 先生方の異動年限短縮、ついにやるらしいですな。卒業して3年経って母校に遊びに行ってごらんなさい。知ってる先生は皆無ですよ。これからはそうなります。さてプロ野球でも、FA制度ができてからは、10年経つと移籍の権利を得られるようになりました。昔に較べて、選手の移籍は活発になったと思います。私個人的には、そのチームの顔であるべき古株が少なくなって、ちょっと寂しいです。だってそうでしょ。阪神に江夏、大洋に平松、広島に外木場、中日に星野、ヤクルトに松岡というエースがいて、生涯、巨人の王、長嶋と対決したから面白いのです。パリーグにだって、阪急の山田、ロッテには成田、木樽、近鉄に鈴木、西鉄に東尾、南海に江本っていたわけで(東映フライヤーズだけエースの名前が思い出せん)、やっぱり日本シリーズでONとの名勝負を生んでいたわけです。彼らエースたちが、今の時代に現役だったらどうでしょう? 半分は巨人のユニフォームを着てるでしょうね。間違いない・・・。やっぱりチームの看板は必要です。高校にだって、古株の名物教師がいて、その学校の特色が現れると思うんですが、いかがでしょう。
 ところで今回の制度、以前このコーナーでは「異動サイクルが早まる」ことだけを指摘しましたが、実態はちょっと違うようです。残したい人は残せて、出したい人は出せる、という色彩が濃くなるのです。ちょっと考えればわかることですが、残したい人カードは確保されてしまうから、異動作業の市場に出回りません。出したい人カードだけが出回ります。ある校長さんが「出したい」と思う人材は、他の多くの校長さんたちにとって、「欲しくない」人材である可能性が高いですから、校長さんたちによる壮大なババヌキ大会が始まるのです。「この人いらない」って出したはいいけど、もっと変なのを取らされるリスクを負うから、これは必死にならざるを得ませんな。同僚に変なのが入って来たら、校長さんが責められそうです。
 最後に私の提言ですが、我々選手の側にもFA制度があるとよいですな。6年勤務したらFA宣言し、他の学校の校長さんと交渉する権利を得て、いい感じだったら異動。気に食わなかったら他と交渉、または残留希望。でも残留しようとして「いらない」って言われたら、自由契約選手となって、どこかが拾ってくれるのを待つ・・・。ババヌキのカードとして動かされるだけよりは、必要としてくれる場所を自分で探したいと思うのですが、ぜいたく?こういうのは、プロスポーツのような特殊技能の人たちの特権かな?

7月 6日 ギャンブル考

 バブル全盛の頃、土地転がしっていう言葉をよく耳にしましたが、ギャンブル用語で「転がし」は少し違った意味になることを、初めて知りました。競馬界に突如出現した「神」・・・。新聞でご存知かもしれませんが、50万円賭けたら勝って130万に。それを全部つぎこむ→1200万に。それも全部つぎこむ→2億円に。という奇跡を実現したオジサンのことです。すべて1レースに賭けてますから、負けた時点でゼロに戻るわけだし、むしろそっちの可能性の方が、圧倒的に大きかったはずです。このオジサン、2億円で再び勝負するのでしょうか。このように、勝った全額をそっくり次のレースにつぎこむのが、転がしなのだそうです。宝くじでも同じようなことをやった人がいた、という話を聞いたことがあります。1回の宝くじに3000万円つぎ込んで、結局1等当てて大きく増やせたそうですな。私もギャンブラーの端くれですが、とても真似できませぬ。パチンコで1万円買っても、3回飲みに行ける〜と考えてしまうので、「あぶく銭はゼロに戻って元々。もう一勝負行くでぇ〜」とはなかなか行きません。
 「転がし」を常套手段とする一発勝負師的な人物の、実際の戦いぶりを目の当たりにしたことがあります。それは多摩センター駅近くでの、メダル式のゲームセンターでした。カジノみたいなやつです。私の隣りでポーカーをやっていた大学生風のおにいちゃんが、何千枚あるのかわからないくらい、大量のメダルをかかえていました。しばらくおにいちゃんの戦いぶりを観察して解ったことは、徹底したハイリスクハイリターンなのです。スリーカードとかフルハウスで、10倍くらいの配当が来るのですが、すぐに払い戻しさせず、ハイ&ローとかレッド&ブラックとか、相手のカードを2択で当てると2倍になるチャンス(はずれるとゼロ)に、チャレンジするのです。このチャンスは5回まであり、いつ降りて利益確定させてもOKなのですが、彼は絶対に途中で降りません。5回連続的中の32倍を狙って行くのです。それは徹底していました。この戦法は、やがていつかは大穴が微笑み、ギャラリーの羨望の的になる時が来るでしょう。ただ、トータルで考えると、やはりマイナスなのでは・・・という気がします。競馬の「神」の人物像を考えると、実はもともと大金持ちで、いつもこういう賭け方していて、殆どは負けていて、今回たまたま大当たりしたから有名になった、という推測が妥当ではないでしょうか。神も多摩センターのおにいちゃんも、ギャンブルは儲けるためではなく、夢を買って楽しむものだということを教えてくれます。「転がし」は、むしろギャンブルへの参加の仕方としては、健全なのかもしれません。