長編小説 「愛と誠」(職員室編)
第11話 チーム由紀
「ねえ、誠くん」
「何ですか、高浜さん?」
「いやだ〜、由紀って呼んでって言ったのに」
「あ、すいません。もとい!何ですか、由紀さん・・・」
「ふふふ・・・。誠くんが、チーム愛に入る方法があるわよ」
「ええっ!ほんとですか!」
「本当よ。聞きたい?」
「聞きたいっス!」
「じゃあ教えてあげる。実はね、私たちの方もチームを作ったの。
メンバーは着々と増えつつあるわ。誠くんが私たちの仲間になってくれたら、
いずれチーム愛への切符を渡すことができる」
「ちょっと待って!なんかおかしいです。チーム愛への切符だって?
やっぱりあなたは、愛さんの邪魔をすることが目的なんですよね?
愛称委員会への誘いを断った時から、そんな気がしてました。
みんなを抱き込んで、愛さんを孤立させようって魂胆なんでしょ?」
「誠くん、誤解だわ。たしかに私は、女王に内緒で仲間を増やしてる。
でもね、それは女王を守りたいからなの。」
「おっと!それは信用できませんね。なら、チーム愛への誘いを断ったりしないで、
普通に愛さんに協力を申し出れば良かったじゃないですか。」
「お願いだから聞いて、誠くん!」
由紀は、急に涙目になって懇願した。
「女王がいくら実力者だと言っても、この学校には来たばかり。
何年も上北にいる私たちが出過ぎれば、女王もやりにくいでしょう。
せっかくの女王らしさが発揮できないことになるわよね。
私はね、女王に思う存分、力を発揮してほしいのよ。
だから黒子を演じることにしたの。誠くんが信じてくれないなら、それも仕方ない。
でもね、私は、たった1人になっても女王を守っていくわ」
「・・・。由紀さんも、愛さんのことを応援してくれていたんですか。
全然気づかなかったです・・・。由紀さん、すみませんでした。
さっきの発言取り消します。愛さんのために、脇役に徹してくれていたなんて、
本当は、そんなにも愛さんのことを考えてくれていたなんて・・・
あ〜オレってほんとバカでした。」
「いいの、気にしないで。だって私は、女王に勘付かれないようにサポートしているのよ。
誠くんに気づかれるレベルの演技力じゃ、務まらないでしょ。」
「あはは、それもそうッスね。わかりました。
オレも由紀さんと一緒に、愛さんを応援します。
「ありがとう!誠くんが入ってくれて、本当に心強いわ。」
「で、とりあえずオレは、何からやればいいんですか?」
「実は、誠くんには、とっても大事な任務をお願いしたいの。
もちろん、最前線で女王を守る任務よ。引き受けてもらえるかしら・・・」
「任してください!愛さんを守るためなら、たとえ火の中、水の中ですよ!」
「じゃあ、お話するわね。くれぐれも女王には内緒よ・・・。」
高浜由紀の目が、一瞬鋭く光った。
(続く)